『健康で·13癌と肥満と和食』

2020年12月26日

平成18年11月に農林水産省が行った「和食」の定義で「古代から今日に至るまで民族の伝統と歴史·文化·風土の中で生まれ育ち、培われてきた生活食」という意見が述べられました。平成19年2月にも会議があり、より細かな分類をされています。興味深いコメントとして「和食の健康的というイメージの原点は出汁にある」としていることです。

「出汁」とは、主に鰹節と昆布と水で作られるものです。「和食」は、この出汁で完成されているといっても過言ではありません。

1960年代のデータによると、日本は世界的に見て最も大腸癌の少ない国の一つであり、また世界的に脂肪摂取の少ない国の一つでもありました。しかし、2000年以降のファーストフードやファミリーレストラン、コンビニが繁栄したことにより「食スタイル」が変わってしまい、動物性脂肪と動物性たんぱく質摂取量が増加して、植物性乳酸菌(味噌、漬け物、醤油などに存在する乳酸菌)摂取量が低下してきたのです。その結果、伝統的な和食の主なたんぱく源(魚や大豆)の摂取も少なくなり、日常的に野菜を摂取することも少なくなりました。

欧米型の食になって「肥満」も指摘されてきました、と同時に「大腸癌」も日本人に多くなってきたようです。肥満、食事、運動などの生活習慣が寄与していることがWHOでも取り上げられたのです。

家にある体重計には、肥満度を測るBMI指数がいつでも見ることができるようになった(22を標準)のは最近であり、生活習慣病が言われ出した事から体重計にも出てきたのです。

「東洋医学」には「食材」の特性があります。寒性、涼性、平性、温性、熱性という分類や食材に関する五味(六味)の効能など、食材の性質と薬効によって食材を組み合わせるのです。そして、年齢や季節、環境の変化により、身体の陰陽バランスは常に変化していくので食材で調整することも主になっているのです。

「食養·食療·薬膳」は、身体を養う食養生、疾病を治療、あるいは治療を補佐、病気治療食の事ですが、特に「食養」を中心にした生活を行うために私は農業をやっているので大腸癌や肥満を心配しないのも「食養」がかなりの割合で占めています。