自然に学ぶ

2016年6月29日

本堂と護摩堂の間は30メイトルあり、私が作った中庭があります。この中庭は以前は石ころだらけでした。
 
全ての家を設計し庭のあり方もこうしたいと考えていましたので、中型のユンボと小型のユンボを使って植木や石を配置しました。
 
庭園と言わず雑木庭でしょうが、楢やこなら、もみじ、さくらなどを植えてあります。特にさくらの木は四国、善通寺で数百年の間育つた《涅槃さくら》の若木を戴いて植えたのです。
 
庭を作って20年となり、それぞれの木は大木に育ち、日陰を作って《こけ》がびっしりと生えています。
春の新緑、秋の紅葉、夏場の日陰、冬の樹氷と毎日、毎月庭の景色は変化しているのです。
 
渡り廊下に座って1日に何回もこの中庭を見ることをします。
東京銀座別院での目まぐるしい15日間を過ごせるのも、こうした本山での自然と向きあう時間を作って、自分を浄化していることは間違いないと考えています。
 
自然と一体となって樹の葉を揺らす音を聞く、見る、感じることをしてみてはどうでしょう。
 
私が皆さんに話す言葉に《無思量,むしりょう》という言葉があります。
 
《思い量ることはない!》という意味ですが、不平や不満、わだかまりなどの自分のこころを陰気にするストレスなど、自然は優しく、何気なく浄めてくれるのです。
 
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