仏前に座ってみる。合掌して、ゆっくりと頭を下げてご本尊の顔をみる。 静寂の中、あなたは何を「お祈り」しているのだろうか。
ゆっくり鐘をたたく、灯明をつけ、線香をたむける。
あなたは何を祈ろうとしているのか、「仕事がうまくいきますように」「病気が治りますように」「試験に合格しますように」と、これは「祈り」ではなく「お願い」をしているのである
仏教では、すべての人に「仏性」が宿っているといい、その「 仏性 」に出会うために「 祈る 」、すなわち自分の心と対話することが「祈る」ことであると考える。
日々の暮らしの中で、自分自身を見失う事が多く、自宅での顔、家族と一緒の時の顔、会社での顔、それぞれの場所でさまざまな顔をもって私たちは生きている。
どれが本来の自分の姿なのか、その悩みを解き放つために祈りがある。
人間は生まれたとき、執着心や雑念などいっさいない。
それを人生を歩いていくうちに、多くの煩悩がまとわりついて、その雑念で、鏡が曇るよう に本来の自分の姿が見えなくなるのである。
祈りとは、本来の美しい自分の姿と出会うために なされるのであると考えるのである。
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